香しく、清純で
ドレスを着た
憧れの白。
儚さも、潔く。
kissy
もうかれこれ一か月になる。ゆっくりゆっくり捨てながら家内の整理をしている。 体型が変わって着ることが出来なくなった服、 「これは着れないでしょう!」という体型ではなく気持ちの変化によるもの、自分の中に流行があると気が付く。 薄手の「ヒートテック」と呼ばれる下着を着るようになって着なくなってしまった厚手の下着(今年の冬に着なかったら捨てると決めた)などなど・・・ いつも使っていた、この中にすべて詰めて持って出かけていた「リュック」があった 見かけは問題ない、が内側が限界になった。バックの類はそれなりにあり、さすがにこれを残す意味がない! これを翌日の燃えるごみに出そうと夜遅くになって思い立ちゴミ袋に入れるがなかなかうまく入ってくれない、まるで嫌がっているように見えるのである。 「お世話になったこのリュックの写真くらい撮っておこう!」 と決めてゴミ出しは中止! 頑張って、今はもうそのリュックは無い。
リュックひとつが捨てられない理由、それはやっぱり思い出なのだと思う。いっぱい思い出の詰まった物はただの物ではなくなる。そんな思い出に最後まで囲まれて居たいと誰でも思うのではないか。 ま~そんなわけでなかなか片付けが進まない、言い訳をしている。 きっと人生もそんなもんではないかとこの頃思っている。
突然、こういう喩えが適切かどうか?それでも咄嗟に頭に浮かんだことを優先することにした。
他意はない、
ここはある意味ヌーディストクラブに似ているな!と思っただけの事である。
勿論、行ったことも経験もないが、ヌーディストクラブは参加する人たちが年齢も性別も関係なく定められた空間の中では真っ裸で過ごすと聞く。参加者は全員全裸でなければならない。、こんな場所で見る方も見られている訳で下卑た考えで参加する人たちはいない。
ところで、ここは全裸とは全く関係がない所である。
狭く急な階段を上ったところ、左手に誰か人の住む古いマンションの入り口かと思われる扉がある。上を見ると傘をかぶった裸電球の灯りが付いている。どっちの「まさか?」か半信半疑でノブを回して扉を開けるとさすがに、ここは「家」ではない空間があった。
少しの間、気持ちが引くほどの静けさである。気が付けばクラシックが流れていると判った。あまりに静かな空間ではクラシックでさえ音を失なう。 「ここは会話は出来ませんがよろしいでしょうか?」 突然マスターらしき人から押し殺したような声をかけられた。・・・「んん・・・・どうしよう?」 「ま~いーか!」の目配せでここを案内してくれたキッシーに同意!したことを示し中に入る。 こういうところでは「テーブル席」が当然無い!と判るのにまた、少しだけ時間がかかる。すべての席が外を向いている。そしてそこにずらーっと本が並んでいる。変わった図書館だと思えばいい!がメニューを出され水を出されして、「いやいやここは図書館ではない!」と思い直す。
暑い通りを歩いてきた身にはグラスが汗をかくほどのひやりとした水は本当に美味しい。人心地をとりもどしながら周りを眺める。四角い部屋の角々に静かに本を読む人がいる。それだけである。 部屋の真ん中は背の高いカウンターに囲まれたキッチン。 時折聞こえるのはそこからのグラスの触れ合う音だけ。明るい光に溢れる外を見ながら「京都は自転車に乗っている人が多いんだな・・」という心の中で言う感想も静か・・・。 店内というより室内。隣で本を読み始めたキッシーを横目で見ながら目の前の文庫本を一冊手にとって私も眺めることにした。たまたま目の前にあった本をわざわざ京都まで来て「読む!」という選択はあり得ない。それでも、作者は私の好きな山田太一さんの本。 眺めていると案の定すぐに眠くなった。静かでありさえすれば大丈夫だろうと、前のテーブルにうつぶせで寝ることにした。ここは図書館?のようなものだら・・・
歩き疲れた、立ち続けた足が少しの間に楽になった。タイミングよく水のお替りを持ってきてくれたマスターに「ストロボなし」の撮影が大丈夫か?を伺って店内を撮らせて頂いた。帰り際ひとつ気になっていたことを伺った。 「ここではスマホとかO.K!なんですか?」 「・・う~ン・・一応パソコンとかは遠慮して頂いています。」 「なら、やっぱりスマホとかはダメでしょ~」 唯一ここで話した会話らしきものを後に帰途に。帰りがけ電車の中で静かに静かに誰にも関心を持つこともなくひたすら画面に向かう人たちを見ながら あの喫茶店は「特別だったのか?普通なのか?」 「新しいのか?ふるいのか?」と考えた。
どちらにしても「京都はやっぱり面白い!」
HIRO
このところ、どんよりした空から降り続いている雨のせいだろうか、急な斜面ではないのに、細い川幅の水の勢いはキラキラ光る飛沫となって勢いよく流れている。
真っ白な ノリウツギの花 が山の上の方に、川側には手の届きそうなところに咲いている。森の影には、ガクアジサイに似た花、山アジサイといつもは言っている甘茶の花が際立って青い花を見せてくれる。
清々しい山の風を感じながら、びわ湖湖北が見えるところに出る。雲が低く薄墨色に湖面の上に広がっている。
「あ、あれが竹生島か~」 この頃私の話に容易に返事のないキッシーこの時も聞き流された。「独り言!」がその理由らしい。私には機嫌が悪いとしか思えないのだけれど。
「京都の絵画展よりやっぱりこっちに来ると、気がはれるな~」
もう、山歩きをしなくなってだいぶになる。 車ではあってもやはり山は良い。すこしでも山に負担をかけずに登れる事を心掛けて・・・とは思う。
「大阪や神戸やら、京都から来る人が多いのが判るね!」ずーっと独り言を言い続ける。
高島の運動公園の中に冬の期間しかやっていない「鴫野」の蕎麦がこの時期でも食べる事の出来るところがあり、それとマキノピックランドでしか売っていない「梅干し」を買うことが目的なのだが、それは「先ずはの目的」で、ついついその奥にある風を感じたくなってしまう。人にも、それを優しく包む自然にもいっぱい出会う事の出来た一日に感謝をして帰途についた。
ダジャレではありませんがゆっくりカエルと遊びましたョ。
水面から顔をだしたヒツジグサ(日本唯一の野生原種)の葉間のカエル 判りますか?ちなみに手前の花は直径10センチほどの小さな花ですから、かなり小さなカエルです。が、このカエルの五分の一の大きさのかなり小さい緑色鮮やかな(多分、子ども)のカエルも
「ほらほらあっちにも、あっちにも」
と指差すキッシーのお蔭で、沢山見ることが出来ました。 。 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 。
Hiro
農家の庭、七輪から白い煙が立ち上っています。 いい香りです。
「何を作っておられるのですか?」
おじいさんというには背もしゃんとして、まだお若いおじさん
納屋から出てこられるのを待って車の窓から首を出して聞きました。
「土鍋でご飯たくとこ・・」
気さくに、にこやかに答えてくれます。
「いい香りですね!それに、ここはいい雰囲気の村ですね。」
「そうね、ゆっくりしたところですよ」
「そうですね、まるで、トトロがいっぱいいそうな!・・」
・・・・・・・・ 「 ・・・・え?私耳が聞こえにくくて・・!」
「あ、あのう!まるで、トトロがいっぱいいそうで!」
「ははは・・・・・、そうね。」
「それに皆さん花がお好きなんでしょうか、どこのお宅も花を植えておられて・・・・」
里山というより、人里、温かな風が吹いているな~。
「きょうは、車だから、・・ダメだろうけれど、いいお酒もあるよ!」、土地の銘柄だろうか、こんどは私が聞こえなかったけれどそれはやり過ごして 「またこの次お伺いしたとき、楽しみにしています。その時はよろしくお願いします。」(とは言ったけれどこの村に車以外で来ることはあるのだろうかと一瞬思った。
細く短い道はゆっくり、カーブしている。その道の端で何かしているおばさんを見つけて、またまた声をかけてしまう。この村はそんな事が許されるというか大丈夫そうな雰囲気なのだ。
「作業中にすみません!今やっておられるのは?」
「え?・・・わたし耳が遠くて」といいながら車の窓の傍まで来てくれた。
「これ?・・これ、これはラッキョウ」
「え?」
「ラッキョウ!」
「私も耳が遠くなって・・」
「ふ~ん、でどこから来られたの・・」
「大津、南の方 ・・でラッキョウをどうするんですか?」
「種をとって乾かす準備、」
「あ~!球根を」
「そう!これを乾かしておいて 秋ごろに植える・・・そうすると周りに仰山できるのよ」
おばさんが作業しておられる道を挟んでお家の畑。 そこに
かわいい「お地蔵さん」 、またまたこの村の風を感じさせてくれるお花が添えられていました。
つづく